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勿忘草の贈り物 [家族の事]

毎年いっちは私の誕生日に花の苗をプレゼントしてくれる。

いつからだったろう。

まだ東京で仕事をしている時からか。

宅配のお兄さんが持ってきてくれる荷物。

箱が届いて開けてみると、花の苗がいっぱい入っている。

また蕾もついていない小さな苗。

そりゃそうだ、一月だもん。

「勿忘草が大好き」と言ったことを覚えていてくれた。

勿忘草は一年草だから、毎年毎年送ってくれる。

どんなに嬉しく慰められているかわからない。

去年はなぜか私の名前にちなんだマーガレットを送ってくれた。

そして、今年はまた勿忘草。



庭のわすれな草.JPG

子どもの頃の思い出の花。

故郷の田んぼや小川のそばに咲いていた花。

蒼い蒼い小さな花が群れになって咲いていた春。


遠い思い出だ。



今年の誕生日は、父と母を天に送って初めての誕生日。

いろんなことを思い出して、まだ痛みは消えない。

小さな苗は鉢に植え替えられて春を待つ。

まだまだ寒い日もあるし、春までは遠いから、蕾がついてやがて開いて、あの綺麗な小さい蒼い花々が咲くのはずっと先のことだけれど、いつか必ず来るその日を待つことは、私にとって大きな慰めになった。

いっちありがとう。

去年のマーガレットも、今年ちゃんとまた蕾をつけているよ。

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