赤い靴 [想い出いろいろ]
私の色は青。
子どもの頃からそう決まっていた。誰が決めたわけでもないけれど、私の色は青で、年子で生まれた二番目の妹は黄色、さらに次の妹は赤である。
決められていたからだけではなく、私は青い色が好きだった。小学校の頃、クレヨンの水色と黄緑色が本当に好きで好きで、その色だけで絵を描きたかった。
中学に上がって家が引っ越しした。新しい子ども部屋のカーテンを、私が選んだがやっぱり青だった。それはそれは綺麗な水色だった。朝日が射してくるとそのカーテンを通して部屋中に美しい水色の光が満ちてくる。私はその部屋の朝が大好きだった。
実はその生地はカーテン用の生地ではなかったが、私は薄くてつやつやしたその水色のカーテンを選んだことに心から満足していた。
好きな色が青であると言うことは、私の成長の中で性格形成にも(大げさだが)影響したと思う。青春時代私は人と群れることができない少女だった。仲の良い友人がたくさんいたが、どこかで距離を置いて人を拒否していた。もちろんトイレにはいつも1人で行った。深入りすることは何においてもしなかった。当然ながら冷たいと言われた。そう、青は冷たい色だ。それで良いと思っていた。
大きくなってからも、私の色は青か黒。ずっとそうだった。
それが変わったのは結婚してからだった。多分始めて自分から赤い服を選んで買った。赤い靴も買った。買うことが出来た。それまで人と接することや触れ合うことが苦手だった私が、安心と喜びをもって人と触れ合うことが出来たからかもしれない。1人で立っていることも素晴らしいことだけれど、誰かに寄り添うことの幸せを知ったからかもしれない。
うちの長女は赤い色が大好きだ。小さい時からそうだった。幸せな女の子である。
長い間長女が探しに探して買った赤い靴 とてもよく似合う
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